
ユカイ工学の青木俊介氏【拡大】
DARPA日本版のアイデアは興味深く、スタートアップを力強く押し上げる手段になるだろう。政府が支援する研究開発は日本にももちろんあるが、大複合企業や研究機関の中の異なる部門に予算配分するのが通常のやり方だ。
DARPAではロボティクス・チャレンジという災害救助用ロボットの競技大会を開催し、日本のチームも数多く出場している。問題を解決することをテーマに掲げたオープンモデルでは、誰でも、どんな小さなチームでもソリューションを提示して競うことができる。これはあまり日本では聞かないやり方だが、だからこそ始めるべきであり、その影響も大きいだろう。セミナーの開催や投資も良い方法だが、政府が積極的にスタートアップとの契約を増やしていけば、それは間違いなく最も価値あるスタートアップ支援になる。
文:ティム・ロメロ
訳:堀まどか
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【プロフィル】ティム・ロメロ
米国出身。東京に拠点を置き、起業家として活躍。20年以上前に来日し、以来複数の会社を立ち上げ、売却。“Disrupting Japan”(日本をディスラプトする)と題するポッドキャストを主催するほか、起業家のメンター及び投資家としても日本のスタートアップコミュニティーに深く関与する。公式ホームページ=http://www.t3.org、ポッドキャスト=http://www.disruptingjapan.com/