【日本発!起業家の挑戦】コミュニケーション・ロボットの未来 (3/6ページ)

2016.10.4 05:00

ユカイ工学の青木俊介氏
ユカイ工学の青木俊介氏【拡大】

 --政府はソーシャル・ロボットを介護や子育て支援に役立てようとかなりの予算を投じています。そうした役割には感情が深く関わってきますが、人間はロボットと感情的な結びつきを強められると思いますか

 「はい、そう思います。ペットの動物を思い浮かべてみてください。僕たちはそれが人間ではないことを知っていますが、本当の意味で深い感情的なつながりをつくることができます。人間よりもペットに優しくなれることがあるくらいです。それに、これは日本にしか当てはまらないかもしれませんが、神道では特に自然のもの全てに神が宿るという考え方があり、人間ではないものにも心があるような捉え方は難しくありません。ロボットについても受け入れやすいと思います」

 ◆心のつながりが鍵

 --目の前のかわいいロボットを見ていると、同じメッセージを読むのでもスマホで開いて読むのと、このロボットが読み上げるのを聞くのとでは感情的に違う影響があるのが分かってきます

 「心のつながりが鍵です。BOCCOのような家庭用ロボットは、次世代のユーザー・インターフェース(UI:機器やシステムと利用者間で情報をやり取りする仕組み)になると考えているんですよ」

 --というと

 「家庭用ロボットがIoT製品のアバター(分身となるキャラクター)になるということです。これから恐らく20年ぐらいの間に、家庭内のものは鍵でもスイッチでもどんどんIoT機器によってコントロールされるようになってきます。今はこれらのシステムがそれぞれ独立したUIを持っていますが、家庭用ロボットが、スマートホームと情報をやり取りするための統一された一つのシンプルな方法を提供するんです。それがかわいいロボットであるということで、オフィスやプログラムの固いイメージではなく家の居心地の良さを伝えることができます」

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