
ユカイ工学の青木俊介氏【拡大】
--スマホがすでに統一UIになっているのでは
「そうかもしれません。しかし、家庭で一番避けたいことは、家族みんなが自分のスマホ画面を見つめている状況です。スマホを手にした瞬間、その人はもう家族と一緒に家にはいないとさえ言えます。スマホを手にするということは、一人っきりになるのと同じことです。ロボットのUIとの関わりは、ペットとの関わりに似ています。ロボットと話していても、家族との会話が断ち切られるわけではないからです。ロボットが家族の一体感を強める可能性もあるのです」
--ロボットが参加すれば、スマートホームの管理も家族で行うアクティビティーになるということですか
「その通りです。UIというものを考え直さなければなりません。スマホのUIはもう完成されたと思いますから、そこに進化はあまりないでしょう。20~30年はだいたい同じままなのではないかと思います」
--そうですね。UIは一度受け入れられると大きく変化しません
「1991年の古いMacをまだ持っていますが、OSのメタファーは現在のものとまったく同じです。今のマシンは動きが速く、グラフィックスは美しいけれど、僕がマシンと関わる方法は根本的に20年以上変わっていません。ユーザーが一度そのUIに慣れてしまったら、変化を許さないのです」
--次のステップは過激な変化になると。UIとしてのロボットですね
「僕はそう信じています。あとはうまくいく方法を考えるだけです(笑)」