
パナソニックが平成26年に東京都内で開いた、4K動画対応ミラーレス一眼カメラの発表記者会見【拡大】
パナソニックのデジタルカメラ「LUMIX(ルミックス)」シリーズが11月で販売開始から15年を迎えた。後発組だったが、手ぶれ補正などの新技術を次々と開発。デジカメの世界販売台数がピークを迎えた2010年代を代表するブランドに成長した。ただ近年は、手軽に撮影できるスマートフォンの普及でデジカメは苦戦。ルミックスも次の一手を求められている。(板東和正)
「3周遅れ」から
「これからはデジカメの時代。この分野で勝つ」
松下電器産業(現パナソニック)の中村邦夫社長(現相談役)が、社内で大号令をかけたのは平成12年秋だった。
家庭で手軽に写真データの加工やプリント印刷ができるパソコンの普及などにより、デジカメ市場は国内外で急成長。出荷台数は年間1千万台を超えていた。
同社関連会社も数年前からデジカメを手掛けていたが、販売は今ひとつ。国内外でそれぞれ百万台以上の販売実績があったキヤノンやオリンパスなどと比較すると「周回遅れどころか、3周遅れだった」(パナソニック幹部)。
それでも、中村氏は「本気になれば、世界でトップシェアを獲得できる」と強気だった。同社は昭和60年から家庭用のビデオカメラの開発・販売に本格参入。動画の分野で画像処理やレンズの技術を培ってきたという自負があった。