
パナソニックが平成26年に東京都内で開いた、4K動画対応ミラーレス一眼カメラの発表記者会見【拡大】
スマホとの差別化戦略
パナソニックは、デジカメ市場の「黄金期」と呼ばれる22年度に世界で約1060万台を販売。シェアは10%に到達した。
しかし、スマホの普及でデジカメは強い逆風にさらされる。カメラ映像機器工業会(東京)によると、デジカメの国内外出荷台数は、22年の1億2146万台をピークに、27年は3540万台まで落ち込んだ。
各社は販売減を少しでも食い止めようと必死だ。オリンパスは、水中で自撮りができるデジカメを投入するなど機能面を強化。高付加価値戦略でデジカメの性能にこだわりを持つ消費者を離さない戦略だ。
パナソニックは、画質に徹底的にこだわった機種などでスマホとの差別化を図っている。26年4月には、写真とともに、フルハイビジョン4倍の解像度の「4K」動画も撮影できるミラーレス一眼カメラを発売した。販売計画(同年度)の倍以上の売り上げを記録し、プロの写真家からの評価も高い。
デジタル機器評論家の麻倉怜士氏は「ユーザーに分かりやすい視点で、スマホにはない技術力を上手にPRできるデジカメが将来、生き残る」と指摘する。次の15年につなげるため、スマホとの差別化戦略のさらなる強化が求められそうだ。