
親しみやすさや手軽さは、一度体験してみるとよくわかる=11月27日、東京・秋葉原【拡大】
遊技産業が苦境にあえいでいる。かつては3000万人いたパチンコファンも、近年は1000万人前後にまで減少。このまま減少傾向が続けば、業界全体の疲弊は避けられない。パチンコ・パチスロは日本の経済発展と歩調を合わせるように“手軽で身近な”レジャーとしてファンを拡大してきた。しかし、1990年代後半からはヘビーユーザー化が進展。身近ではあるものの“手軽さ”という点で課題が残る推移を続けた。これに対し、近年は“手軽さ”を意識した遊技機が相次ぎ登場、ホールの営業面でも“手軽さ”を特徴とした取り組みが進んできた。“手軽な”レジャーとしての素地は整いつつある。こうした中で、改めて問われるのはファンの開拓だ。将来の顧客となりうる若い世代のファン開拓は、どの業界でも大きな課題。遊技産業では、業界大手のサミーがこの課題に挑戦しはじめている。(青山博美)
■“お得意さま”頼りには限界
11月27日、東京・秋葉原。
ゲーム施設運営などを手掛けるセガサミーグループのセガが展開する「クラブ セガ 秋葉原新館」の一角で「0円ぱちんこ パーラーサミー」と題するイベントが行われた。その名の通り0円。パチンコをやめてしまった、あるいは、パチンコをしたことのない人を対象にする“体験イベント”だ。
主催したのは、同じくセガサミーグループの遊技機メーカー、サミー。“体験できる環境の提供”と、その先にある“ファン層の拡大”を模索するために企画した。