
アイリスオーヤマの「銘柄炊きIHジャー炊飯器5.5合」【拡大】
炊飯器市場が新たな“戦国時代”に突入している。象印マホービンやタイガー魔法瓶、パナソニックなど大手メーカーがしのぎを削る中、各地から“新米”のメーカーが続々と参入。シャープ出身の技術者を積極採用した生活用品製造卸のアイリスオーヤマ(仙台市)のほか、老舗鋳造メーカーの愛知ドビー(名古屋市)、家電ベンチャーのバルミューダ(東京都武蔵野市)もそれぞれ持ち味を生かし、「おいしいご飯」を追求したユニークな商品を開発している。果たして下克上を起こせるか。
シャープ出身者採用
ビジネスパーソンや買い物客が行き交う大阪・心斎橋の目抜き通りに建つ「アイリス心斎橋ビル」。ここが、アイリスオーヤマが2005年に参入した家電事業の開発の中枢を担う大阪R&Dセンターの拠点だ。経営再建中のシャープの技術者を積極的に採用し、熱風オーブンや花粉空気洗浄機などの製品を世に送り出しているが、15年11月から炊飯器も販売している。
アイリスの本拠地の東北は言わずとしれた「米どころ」。13年9月には精米事業に参入している。そこで蓄積したコメについての膨大なノウハウが強力な武器となっている。
「すべての人においしいご飯を届けたい」を基本コンセプトに、高級釜を使わなくても、銘柄ごとの硬さやサイズなどの特徴に応じ、最適な火力調整で炊き分ける高度な技術を開発した。