
岩谷産業が1969年に発売した業界初のカセットコンロ「カセットフー」(写真提供:岩谷産業)【拡大】
ユーザーの声を受けた岩谷産業は屋外で使える、特に風に強いカセットコンロの開発に乗り出す。完成したのは「カセットフー 風まる」だ。この特徴は風を防ぐために二重構造になっている一方で、火を付けるために必要な空気が入る穴を設けている点である。また、火力は3000kcal/hと、一般的な家庭用ガスコンロと同じ強さに仕上げた。
この商品を契機に、岩谷産業はユーザーのニーズに応えるような商品ラインアップを拡充していく。それが可能になったのは、何と言ってもカセットコンロに関する基礎技術を確立していて、他社がまねしようとしても難しかったからだ。その後、カセットコンロ自体を小型化した一人向け商品や、たこ焼き専用コンロ「スーパー炎たこ」、炉端焼き用コンロ「炙りや」などを相次いで発売した。
その中で2016年に発売した焼き肉専用コンロ「焼まる」は大ヒットとなった。従来、家庭で焼肉をやる際にはホットプレートを使うのが一般的だったが、どうしても煙の問題があった。これを改善しようとしたのがこの商品だ。