レクサスがニューヨーク国際自動車ショーで世界初公開した旗艦セダン「LS500」のスポーツ仕様車=4月12日、米ニューヨーク(会田聡撮影)【拡大】
旗艦スポーツ仕様
値下げの原資になるディーラー向けの販売奨励金も高水準に達している。その結果、マツダが2月に17年3月期の業績予想を下方修正するなど各社の経営にも影響が及んでいる。
これに対し、セダンが「代名詞」ともいえる高級車ブランドは派生モデルの追加などで巻き返しを期す。トヨタは4月のニューヨーク国際自動車ショーで、レクサスの旗艦セダン「LS500」のスポーツ仕様車を世界初公開した。低重心の車体に専用の足回りやブレーキを組み合わせ、「スポーティーなデザインと高い機能性を両立した」(トヨタ)。
ホンダも同月開催の中国・上海モーターショーで、高級セダンブランド「アキュラ TLX」の前・後輪の間隔を広げる「ロングホイールベース化」により、後席を広げた試作車を出展した。年内に現地で投入し、「富裕層を中心にセダン需要を喚起する」(広報部)。
SUVブームが過熱する中、セダンが復権する日は来るのか。自動車メーカーの商品戦略は大きな岐路に立っている。(会田聡)