
バンダイのガシャポン「機動戦士ガンダム EXCEED MODEL ZAKU HEAD」が売れている(C)創通・サンライズ【拡大】
松原: ご指摘のとおり、ザクのことばかり考えていました。発売日は決まっていたので、○月○日までには完成しなければいけないといった締め切りがありました。ああでもない、こうでもないと部品を組み替えながら「次、中に部品が入らなかったらヤバいぞ」とプレッシャーを感じながら開発していました。
土肥: で、完成した?
松原: 2度目もうまくいかなくて、3度目の試作品をつくりました。結果、中にすべてのパーツが入ったんですよ。
土肥: おめでとうございますー。で、完成?
松原: いえ、まだです。中にすべてのパーツが入ったので、当初予定していた大きいサイズのモノができました。でも、それだけでファンを満足させることはできません。驚かせるためにはどうすればいいのか。頭頂部とパイプ基部を開くようにしたほか、モノアイを左右に動かせるようにしました。
なぜこのようなことをしたかというと、ガンダムの関連商品はたくさんあるから。例えば、プラモデルひとつとってもたくさんの商品が出ていますよね。そういった中で、どのようなギミックを搭載すれば、ファンの人たちに「新しい」と感じてもらえるのか。新しい要素があれば、多くの人は「欲しい」と感じるはず。というわけで、ガンダムファンに喜んでもらえるようにギミックを加えたほか、外装だけでなく内部のメカニック部分までディテールを再現しました。
「これはヒットする!」と思う瞬間
土肥: ガシャポンを開発するうえで、何か気をつけていることはあるのでしょうか?
松原: フィギュアの場合、3000~4000円ほどの商品が多いですよね。自分の好きなキャラを買って、満足する人が多い。しかし、ガシャポンの場合は違う。フィギュアと同じようなポーズだとなかなか満足してもらえないので、フィギュアで売っていないようなポーズをつくることがあります。あと、単価が安いので、シリーズモノをいくつか集めると何かの形になったり、カッコよくなったり、といった仕掛けをすることがありますね。
土肥: フィギュアで売っていないようなポーズをつくるということですが、ガシャポンの場合、単価が安いので「よし、このヘンなポーズでいこう!」といった感じで、新しいことに挑戦しやすいのでは?