
バンダイのガシャポン「機動戦士ガンダム EXCEED MODEL ZAKU HEAD」が売れている(C)創通・サンライズ【拡大】
土肥: 脳みそに汗をかいて、手足を動かして、ようやく商品が完成するわけですが、できてから「それはダメだよ~」と言われることはないですか。松原さんの場合、人気キャラクターを扱っているケースが多いですよね。ということは、版権を所有している会社から「このキャラをこんな風に変えてもらっちゃあ困るよ。ダメね」と言われたりしませんか?
松原: 実は……あるんです。
土肥: キャラクターには世界観のようなものがあるので、その枠を超えたモノをつくってしまうと、「NG」になりそうです。
松原: いきなり完成品を持っていって、「さあ、どうですか?」と言っても、NGになる可能性が高い。そうならないように、事前にこちらの意図をきちんとお伝えして、先方の声もきちんとお聞きして、開発を進めるようにしています。
土肥: ザクの場合、どうでしたか?
松原: 問題ありませんでした。これまでガンダムシリーズは何度もつくってきましたので、どこを超えるとダメ、どこまでだったら大丈夫といったことは理解していますので、その線を超えることはしません。
次のザクも
土肥: これからも新しいモノを出し続ける、驚くようなモノを出し続ける、その気持ちは変わりませんか?
松原: はい。以前は「ガシャポンは安いから、ちょっと買ってみるか」といったケースがあったのですが、最近はそうした買い方をする人は少なくなってきました。ガシャポンは硬貨を入れて、ハンドルを回すまでは何が出てくるのか分かりません。「自分はアレが欲しいなあ」と思っていても、実際には違うモノがでてくることも多い。そうしたケースで、「残念」と思われてはいけないんですよね。自分が欲しいと思ったモノとは違うけれど、「これはクオリティが高い。なかなかいいじゃないか」と感じてもらえるような商品を、私たちはつくり続けなければいけません。