
心の問題について革新的なアプローチで取り組む清水あやこ氏【拡大】
--なるほど。心理士と一緒に取り組めば効果がありそうなことはわかりましたが、ゲームアプリでそれが学べる仕組みは
「SPARXでは空想の世界が展開されます。人々の気分のバランスが崩れ調和が保たれなくなり、非常にネガティブになった世界という設定です。ユーザーはヒーローまたはヒロインとして、ネガティブな感情の方向を変えて、この世界を救います。ゲームをプレーしながら、ユーザー自身がポジティブな考え方を身に付けていきます」
--非常に面白いアイデアですが実際に効果は
「ありますよ。オークランド大学の研究チームによると、ゲームをプレーするのと対面のカウンセリングは同程度の効果があります。一般的に認知行動療法は本を読んだりカウンセリングに通ったりして学ぶものですが、ゲームでなら続けられるという人もいます」
--日本での売り上げはどうですか。臨床結果はどうですか
「国内のユーザーは約2000人です。まだ大きなファンベースではありません。また、国内で臨床試験は行っていません」
--このビジネスモデルでは、SPARXが厳しい立場に置かれませんか。予算や、ゲーム自体のストーリー展開、操作の点ではゲーム会社と競合することはできませんし、だからといってこれを直接カウンセリングサービスとして売り出すこともできません