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聞けば同社では、リストラと同時に新規事業を含めた事業構造改革に着手しているという。実はこれは、もうひとつのリストラと呼ぶべき内容だ。人事部長は言う。
「伝統ある企業で何十年も同じ仕事をしてきた50歳、55歳の人たちに、今後新しい価値を生み出す仕事をしようと言っても難しいでしょう。逆に、新しいことをやろうとすると、抵抗勢力にならざるをえない。そうであれば転進してはどうかという提案です」
「自分の社長在任中は給与制度はいじらないでくれ」
会社が変わる、事業が変わるというときに、仕事キャリア30年以上のベテランがゼロから新たな能力を身につけるのは確かに難しいかもしれない。新規事業を立ち上げることで本人にそう感じさせることで、自然と人員も整理でき、大きな労力のかかる賃金制度改革を先送りにできるのかもしれない。
本来であれば役割や貢献度に見合った賃金制度に変革すべきなのだ。だが、前出コンサルタントは指摘する。
「貢献度に連動した制度に変えることを経営トップが決断すると下も動きやすいです。でも、制度を変革すると社員からの反発も強い。経営者の中には在任中の2~3年の間に波風を立てたくないという人も少なくありません。自分の在任中は制度をいじらないでくれと私たちに堂々と言う経営者がいるのも事実です」