市場規模は12兆円! デジタル・非デジタルの「両輪」で成長続けるコンテンツ産業 (3/5ページ)

 各市場の動きと今後への期待は

 デジタルコンテンツ白書でゲーム市場の項目を担当した、ゲームアナリストでインターラクト代表取締役の平林久和氏は、「ニンテンドースイッチの2年目以降は任天堂以外の集団が開発したソフト、特にインディーゲームの動向は見逃せない」と、一般に言われているタイトルの出尽くし感を否定。「無名の開発者の多くがニンテンドースイッチのソフトを現在開発中であり、コンテンツビジネスの台風の目となる可能性がある」と分析して、今後の伸びに期待を見せている。

 オンラインゲーム市場については、日本オンラインゲーム協会(JOGA)によるJOGAオンラインゲーム市場調査レポート2018の数字として、2017年の国内オンラインゲーム市場規模を1兆3603億円とし、このうち1兆2388億円がスマートフォン&タブレットによるものと紹介している。項目を担当したJOGA事務局長の川口洋司氏は最近の動向としてブロックチェーンとゲームの連動、eスポーツビジネスの始動などを挙げた。

 マンガ市場はマンガ産業アナリストの中野晴行氏が担当。紙の雑誌や単行本の落ち込みを紹介しつつ、2017年度(2017年4月1日~2018年3月31日)の電子コミックが1845億円となって「はじめて、電子版単行本が紙版単行本を上回った」と、インプレス総合研究所の調査をもとに指摘している。ただ、「電子版マンガ雑誌が前年比116%の36億円と頭打ちになっているのが気にかかる」とも。紙の雑誌を電子に置き換えて提供しても、作品単位で読んでいくWebマンガ読者のニーズにマッチしていない可能性があることが理由。一方で、スマートフォン向けに配信されるマンガアプリは好調とも指摘しており、「LINEマンガ」「comico」「マンガワン」といったマンガアプリの情勢を紹介している。

「成長を牽引するのは海外」