中には、ある日本人が中国人に名刺を渡したところ、デザインされていた会社のロゴが、知らない間に商標出願されていたケースもあったという。
異議申し立てをすれば、結果が出るまで約2年はかかることを踏まえ、特許庁国際課は「出願されたからといって、権利を中国側に取られるのではない。異議申し立てを行い、あくまでも中国の法律に乗っ取って解決するしかない」と説明し、冷静な対応を求める。
また、和歌山県産業技術政策課は「監視で見つかり対応できた、ということは私たちのやっていたことが間違いではなかったということを示す証拠」と強調する。
地方自治体による異議申し立ては、和歌山県だけではない。「青森」が平成19年12月に「果物・野菜・水産物・肉等」の分野で、「鹿児島」が23年11月、「広告等」の分野で異議申し立てが認められたほか、「秋田」や「佐賀」でも同様のケースがある。
国内の商標法では地名は原則登録できないとされているが、地方自治体の名称が中国で「一般に知られた地名」と認められるケースは増加傾向にあるとされるが、安心できる状況ではないのは確かだろう。