私は判決確定の直前、長崎県知事や地元住民代表らと首相官邸に赴き、上告するよう直訴しました。驚きましたね。菅氏は問題に精通しているどころか、ほとんど理解していなかったんです。そういえば、菅氏は野党時代に開門派の市民運動家たちと現地を訪れ、職員を「開けなさい!」などと怒鳴りつけましたが、長崎県や諫早市から説明を聞くことはなかった。「干拓事業は悪」という一方的な見方しか持っていなかったんですよ。こうした不幸が重なり、現在の混迷がもたらされたんです。
× × ×
日本は法治国家ですから判決には従わなければなりません。しかし、その義務があるのは、訴訟の当事者である原告(関門派漁業者ら)と被告(農水省)でしょ。私たちにはありません。開門に向け、協力する義務はないし、そのつもりもありません。
11月12日に長崎地裁で、地元農家らが開門差し止めの仮処分を求めた訴訟の結論が出ます。地元の主張が認められ、差し止め決定が出てくれれば…。でもあくまで仮処分。根本的に解決するわけではありません。
そう考えると解決の糸口は見当たりません。ますます混迷していくかも知れませんね。でも市民の安全、安心、財産を守るのが私の使命です。開門は絶対にありえません。あくまでも反対を貫く覚悟ですよ。