こうした事態を受け、政府のエネルギー政策も前進し始めた。11月中旬には改正電気事業法が成立するなど、電力制度の抜本的な改革が進む。ただ、経済産業省の有識者会議が年内にまとめる「エネルギー基本計画」では、原発を含む電源の構成比率は示されない見通しだ。
東電は電気料金を昨年4月に企業向けを14.9%、同9月に家庭向けを8.46%値上げした。新しい再建計画では、15年度から段階的に電気料金を引き下げる方針を盛り込む。料金値下げを実現させるためには、原発の再稼働が大前提。原発の将来像が決まらなければ、東電の新計画は「絵に描いた餅」(関係者)になってしまう。(藤原章裕、三塚聖平)