記者会見で謝罪する阪急阪神ホテルズの幹部ら。各地で相次いだ偽装問題の会見では「故意の偽装はなかった」との言葉が繰り返されたが、現場の従業員たちからは「お客さまをバカにしている」との声も上がっていた【拡大】
これまでも企業の不祥事が発覚するたびに指摘されてきた構図が、この業界にもあった。企業犯罪の捜査に携わってきた検察幹部は「人は場当たり的で、何となく一線を越える」と指摘する。
学識者らは、「商道徳が希薄になっている」ことが一番の問題だと指摘する。「嘘をついてでも実態より良く見せよう」という発想は、商売の根幹を揺るがすという警告だ。
元流通科学大教授の吉田時雄氏(経営思想)は「『嘘をついてはいけない』というのは商売の基本だ。ブランドの本質は信用だ。それを守る意識がわかっていたら、こんなことはできないはずだ」と話した。
食品表示や食の安全に詳しく、『ホントは怖い!加工食品の真実』などの著書がある食品問題評論家、垣田達哉さんは「食材偽装はホテル側の競争激化の中で、起こるべくして起きた。