台風26号による伊豆大島(東京都大島町)の土石流災害は、16日で発生から3カ月を迎える。23日には都知事選が告示されるが、候補予定者の関心は2020年東京五輪や原発政策に向いており、島の復興についての訴えはほとんど聞こえてこない。各地に災害の爪痕が残る町で、被災者らは「島を忘れないでほしい」と悲痛な声を上げている。
元町地区で美容室を営む秋広みねさん(83)は店舗兼住宅の1階に土砂や木が流れ込んだため、現在同地区にある東京都教職員住宅で暮らす。災害から3カ月になるが、依然として片付けに追われる日々だ。
家電製品や寝具などの買い替えや家屋の修復には費用がかかる。そのための「財政的な支援をお願いしたい」と求める。土石流災害で防災対策の重要性を痛感した。都知事選では「防災対策を示してくれる人に投票したい。脱原発や6年後の東京五輪が争点になっているが、現実的ではない」と話す。
被害の大きかった元町の神達(かんだち)地区に一人で暮らす立木(ついき)忠彦さん(67)は本土と島の温度差を感じる。出馬表明した人たちから防災対策に関する訴えがほとんど聞こえてこない。自宅から被災現場まではわずか数十メートルしか離れておらず、毎日土石流の傷跡を目にする。そのたび島の将来を案じる。
「大島の主要産業は観光業。1日も早く復活させるため、復興をもっと加速させてほしい」という立木さん。新しい知事には「都議会と話ができ、信頼感のある人になってほしい」と話す。