群馬県の富岡製糸場【拡大】
政府は26日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)を世界文化遺産に登録するよう勧告したと発表した。6月15~25日にカタール・ドーハで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式に決まる見通し。決まれば、昨年の「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」(山梨県、静岡県)に続き、国内14件目の世界文化遺産となる。
政府がユネスコに提出した推薦書では、西欧からの最新技術を導入して明治5年に設立された富岡製糸場や周辺の養蚕関連施設など4施設で構成。「19世紀後半から20世紀にかけ、高品質な生糸の大量生産の実現に貢献した技術交流と技術革新を示している」とし、「世界の絹産業の発展と絹消費の大衆化をもたらした」と説明している。
イコモスは昨年9月に現地調査を実施。その後、保護管理に関わる専門職員の数などの情報を求めてきたため、文化庁は10月、追加で情報を提出した。さらに今年2月の大雪で、構成資産の一部が倒壊するなどしたことから、3月に状況を報告した。