このため、中小企業庁と公正取引委員会は今月28日から、国内の中小企業約385万社全てを対象にアンケートを始めた。増税直後の転嫁状況を把握する狙いだ。違反行為が判明すれば、転嫁Gメンによる立ち入り検査など詳しい調査を行う。
合わせて24日から大規模小売業者など約4万社を対象に書面での調査も始めた。回答拒否や虚偽回答には罰則を科すことで、回答を義務づけており「『転嫁拒否は違法だ』と啓蒙(けいもう)し、企業を牽制(けんせい)する意味合いもある」(中小企業庁)と強調する。
同日公表した価格転嫁に関する中小企業庁の調査では、増税分の一部または全部の価格転嫁が「できていない」と答えた事業者は全体の約18%にのぼる。転嫁できない理由として62・6%が「競争が激しく、価格を引き上げると他社に取引を奪われる恐れがある」と回答した。
中小企業庁と公取委は、価格転嫁の拒否行為があったとし、昨年10月から今年3月までに計1199社を指導した。今月23日には増税に合わせた安売りセールの際、納入業者に対し増税分に当たる3%前後の仕入れ価格引き下げを求めたJR東日本の100%子会社に対し、公取委が同特措法違反(買いたたき)にあたるとして、値引き分を支払うよう勧告を出した。
中小企業庁幹部は「監視を緩めずに『価格転嫁は当たり前のこと』という雰囲気を作ることが欠かせない」と述べ、違反行為の未然防止と取り締まりに力を入れる方針だ。