阪堺電車からめぐむ保育園に引き取られた定期運行する国内最古の「モ161形」車両。園児の学びの場として第2の車両人生を歩む=大阪市東住吉区【拡大】
モ161形は昭和3年ごろに製造され、一部にチーク材を使った高級感のある内装が特徴。定員90人で、戦前から市民の足として活躍してきた。レトロな雰囲気が人気を呼び、遠方から撮影や乗車のため訪れる鉄道ファンも多い。
新車両の導入により、同社が保有する10両のうち3両が平成22~25年に引退した。同社は「解体はしのびない」として車両の保存と約300万円の輸送費の負担を条件に譲渡先を募集。15の企業・団体から応募があり、めぐむ保育園などが引き取ることが決まった。
地元の人にとってモ161形はなじみ深い。昭和55年に路面電車の南海平野線が廃止されるまで同園近くを走行していたからだ。鉄道ファンという岡田園長は「私も通勤で利用したので感慨深い。貴重な車両を残すことに貢献できれば、と手を挙げた」と話す。