ミツバチの大群が突如消失してしまう現象が世界で頻発している(AP)【拡大】
米オバマ政権は昨年、昆虫による受粉は「米国の食糧安全保障に不可欠だ」として、ミツバチやチョウなど花粉を媒介する昆虫の保護に関する国家戦略を構築するとした大統領覚書を発表。省庁横断で原因や対策を検討する作業部会を立ち上げた。そして今年5月19日、冬に消滅するミツバチの群の割合を10年以内に15%以下に抑える目標を打ち出した。
ただ、連邦政府は州レベルで官民が連携して問題に取り組むよう求めたものの、めぼしい具体策は示さず、ネオニコチノイド系農薬の規制も見送った。このため、市民団体などからは「対策が不十分だ」と批判する声が上がっている。
このまま蜂群崩壊症候群が進行すれば、世界的な蜂蜜価格の上昇と果物や野菜の生産への影響が懸念される。食文化による程度の差こそあれ、日本など各国も蜂群崩壊症候群に農業と食が脅かされかねない。
小さな昆虫に生態系の頂点に位置する人類の命運が左右される状況は皮肉だが、一刻も早い原因の究明と効果的な対策の導入が求められる。