経済評論家・勝間和代さん【拡大】
■再エネ拡大はCO2を増やす
--「ゼロリスク」を求めて原発再稼働には反対する声もあります
「リスクは原発にも、石炭やLNG(液化天然ガス)の火力発電にもあります。火力には、燃料の輸入リスクやCO2リスクが伴います。私の専門である金融のリスクの考え方は、極力分散させることです。『想定外』は当たり前にあり得るという発想です。多くの人は見えているリスクに過剰反応します。人間の認知の弱みから来ているのですが、原発再稼働に賛成でも反対でもない中庸な人が多くても、1家庭あたりでわずか数百円程度の電気代値上げのために声を上げることはなく、結果的に声の大きなマイノリティー(少数派)による賛成か、反対かの二者択一の議論になっています。反原発の人たちは、総じてエネルギー問題に対する当事者意識が低いように思いますが、自主的にエネルギー問題を勉強できる仕組みができるといいですね。日本の将来のためには国民一人一人が当事者意識を持つ必要があるとなれば、『反対、反対』ばかり言っていても仕方がないので、どこかで落としどころを考えるようになると思います。また、原発反対と安保法制反対はほぼ同じ人たちです。背景には、現状の体制に対する不満があると思います。その象徴が原発と安保なんです。すなわち、体制派と反体制派の争いですから、政府や電力会社は反原発の人たちから、とにかく顔をつきあわせて話を聞き、時間をかけて信頼感を醸成していくことが大事です。人間の判断は、合理的な判断より感情的な判断が勝るものです。今電力業界に求められているのは信頼を回復する時間と、再稼働した原発が安全運転を続け電気料金を下げるというエビデンス、そして原発事故補償への真摯(しんし)な対応です。証拠がないと心が動かないし、態度で示すことが重要です」