男は現地に到着するや、周囲に人がいないことを確認し、格子状のフタを急いで開けた。
幅約35センチ、深さ約60センチの側溝に体を押し込めるようにあおむけに横たわり、フタを閉じる。男は何をするでもなくフタのすき間から夜空を見上げ、日が昇るのを待った-。
約5時間後。同駅で電車を降り、歩いて通勤していた女性(37)が、目の前の側溝のフタから髪の毛のような物がはみ出ていることに気づく。
「一体何だろう。ウィッグ(女性用の付け髪)が落ちているのかなあ」
正体を確かめようと側溝に近づいて足下に視線を落とした。その瞬間、フタ越しに、中にいた男と目が合った。
「ぎゃあああああ!」
女性は悲鳴を上げて飛び退き、少し離れた場所から110番した。