2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の新たな建設計画で、公表されたA案(左側3枚)とB案のイメージ図(技術提案書よりJSC提供)【拡大】
建築の専門家の目に2案はどう映ったのだろうか。
建築エコノミストの森山高至氏は「いずれを選んでも問題はない。違いは、近くに寄ったときに見える壁面だ」と指摘する。「A案は壁面緑化により周囲の緑に溶け込ませて目立たなくし、B案は壁面をなくすことで圧迫感を取り除いている」と解説する。
建築評論家の馬場璋造氏は「観客席の勾配がA案は急だがB案は緩やかなので、上方の席とフィールドとの距離感も違いが生じる。A案の方が近く見えるだろう」と見る。
建築評論家の五十嵐太郎・東北大教授は「隈研吾さんが手掛けたとみられるA案は、棒状の木を組み合わせた『ルーバー』を使い、見た目のボリュームを軽減しようという狙いが見える。これは隈さんが得意とする手法。日本の古い建築の工法も取り入れ、和のテイストが濃い」と話す。