注目を集めたエンブレム問題。10月にはIOC(国際オリンピック委員会)のジョン・コーツ調整委員長(左から2人目)も来日して大会組織委の森喜朗(よしろう)会長(左端)らと進捗状況を確認した=2015年10月13日、東京都(共同)【拡大】
2020年東京五輪・パラリンピックの新エンブレムを選ぶ大会組織委員会の「エンブレム委員会」は7日、11月24日に開始したデザインの募集を締め切り、応募総数が1万4599件だったと発表した。有名デザイナーに限定した前回の104件を早々に上回り、想定していた1万件を超えた。
宮田亮平委員長(70)=東京芸術大学長=は「これだけ多くの方に参画してもらったことに感激している。最終的にたった一つを選考するのは至難の業だが、皆さんに納得いただけるようなプロセスでしっかりと審査していく」とのコメントを出した。
来月から本格審査
この結果を受け、エンブレム委員会は8日に第7回会合を開く。「密室の審査」と批判を浴びた前回の反省から改善点に挙げられたデザインの修正手続きや、審査への国民参画の方法などがまだ示されておらず、引き続き協議する。
現在のところ、決まっている審査の流れとしては、まず事務スタッフが応募要件に合致しないものや公序良俗に反するもの、明らかに著作権を侵害するものを除外。その後、エンブレム委員らが投票を行うなどして、年内に100~200点に絞り込む。だが、来年1月7日に始まる本格審査の内容には不確定な点が多く、検討課題に一時あがった「国民投票」についても実施の見通しは立っていない。