【シリーズ エネルギーを考える】放射線より避難リスクが心配 (2/7ページ)

2016.5.26 05:00

 --放射線の発がんリスクは小さいということですか

 「その通りです。発がんリスクは放射線の量に比例して発生する確率が高くなると考えられ、年間100ミリシーベルトの被ばくで、がんの発生がわずかに増加することが観察されています。ICRP(国際放射線防護委員会)の報告で、それ以下では『確かな証拠はない』とされているのは、『よく分かりません』ではなく、『増加を検出できないほど増えない』という意味です。日常生活では、受動喫煙でも放射線でいうと100ミリシーベルト、野菜不足で200ミリシーベルトに相当。大量飲酒や喫煙に至っては1500~2000ミリシーベルト相当ですから、放射線100ミリシーベルトの影響は非常に小さいといえます。リスクがあふれている世の中で、リスクの見積もりを間違えば、不利益を被ることになります。例えば、9.11同時テロ後の米国では交通事故死が増えました。飛行機に乗るのが怖くなって、車での移動を選択する人が増えたためです。100ミリシーベルト未満の放射線は検出できないほど影響が小さいのに、それが巨大に見えてしまうと、9.11後の米国と同じことになってしまいます。原子力発電所の事故による福島県民の被ばく量は、最大でも3ミリシーベルト程度です。その水準の被ばくではがんが増えることはないと私は考えており、専門家の意見は一致しています」

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