土砂崩れがあった民家付近を捜索する警察や消防=21日午前9時38分、熊本市北区(竹川禎一郎撮影)【拡大】
20日夜から21日未明にかけて、記録的な大雨となった九州。地震で大きな被害が出たばかりの熊本県では、土砂崩れが民家を襲い、住民が自宅に閉じ込められたり行方が分からなくなったりした。地元の消防隊員らは、徹夜で救出活動を続けた。
宇土市住吉町では、漁業の草津千代子さん(83)と50代の娘が、21日午前1時前に生じた土砂崩れで、木造平屋の自宅に閉じ込められた。
「助けて」。家の中から漏れるかすかな声を頼りに、消防隊員らが約2時間後、草津さんを救い出した。
病院で手当てを受けた草津さんによると、雷の音で目が覚め、カーテンを開けて外を見た時に山が崩れた。気付けば、押し寄せた泥やがれきで身動きが取れなくなっていた。「死ぬかと思った。助け出されるまで、すごく長かった」と身震いしていた。