
NTCで行われたリオ五輪韓国代表のユニホーム発表会に登場した五輪出場選手ら=4月、韓国ソウル(AP)【拡大】
さらに、日本との大きな違いであり、子供たちの体力低下を招く要因として問題視されている学校体育がある。超が付く受験大国である韓国では、体育の時間を自習に充てるなど、体育教育自体が軽視されている。このように、近年、国際舞台で活躍が際立つ韓国のスポーツ事情は、トップレベルと底辺との間に大きな格差がある。
◆巨大な訓練施設
国家代表レベルの才能を見いだされた子供たちは、国が運営するナショナルトレーニングセンター(NTC)に送り込まれ、寄宿しながら強化に取り組んでいる。現在3カ所あり、中でも12年開業の最新NTC、鎮川(チンチョン)NTCの総敷地面積は日本のNTCの約16倍で、現在も各種施設の建設が続いている。泰陵(テルン)NTCの老朽化によって新設された施設だが、泰陵NTCの敷地面積が約30万平方メートルなのを踏まえれば、鎮川NTCの巨大さがうかがい知れる。ちなみに、泰陵NTCは日本のNTC建設の際のベンチマークとなった施設だが、韓国ではその5倍以上の施設を整えようとしている。スポーツ強化の環境はますます格差が開いている。