
圧入原理のイメージ【拡大】
サイレントパイラーに置き換えると、杭打ちに上から衝撃を加える必要がないため、振動も騒音も起きないというわけだ。
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同社によると、この杭打ち機の利点はほかにもある。引き抜き抵抗力が力の源泉であるため、機械を大型化する必要がない。100トンの力で杭を地中に押し込むための機械の重量は6トンにも満たないという。
さらに、サイレントパイラーは打った杭の上を自走しながら、次々と杭を打ちこんでいける仕組みのため、工事を進めるために確保しなければならないスペースは、機械の横幅分で十分だ。
北村は「圧入原理の可能性を常に追究してきた。自動化や遠隔操作がさらに進めば、工事の安全性・生産性も高まる。建設工事における工法革命を目指す」という。
=敬称略
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首都直下、南海トラフの地震や多発する水害の危機が迫る中、独創的な工法が注目を集める「技研製作所」は創業50年を迎えた昨年、東証1部上場を果たした。この連載では、北村精男氏が一代で興した同社が、世界企業として発展してきた半世紀を追う。