【地球を掴め国土を守れ】技研製作所の51年(14)裂けたH鋼にひらめき  (2/2ページ)

公害処理を掲げ、最新のバキュームダンパーで泥の浚渫を請け負っていた
公害処理を掲げ、最新のバキュームダンパーで泥の浚渫を請け負っていた【拡大】

 地中に打った鋼矢板(土砂などの崩れを防ぐ杭)を引き抜く際、鋼矢板に土がまとわりつき引き抜きにくくなる現象は、北村にも覚えがあった。しかし、ホテルの建設現場で、北村が目撃した光景はひときわ強烈だった。

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 この光景を思い浮かべた北村には、ひらめくものがあった。

 「鋼矢板にまとわりついた地球(地中)のもつ力」を、杭を地中に押し込む力に変換できれば、杭に対して上から打撃を与える従来の杭打ち機とは異なり、振動も騒音も撒(ま)き散らすことはなくなるのではないか。

 この理論は、のちに「圧入原理」と呼ばれるようになり、原理を生かした機械が杭打ち機「サイレントパイラー」として、具現化されることになった。

=敬称略

 首都直下、南海トラフの地震や多発する水害の危機が迫る中、独創的な工法が注目を集める「技研製作所」は創業50年を迎えた昨年、東証1部上場を果たした。この連載では、北村精男氏が一代で興した同社が、世界企業として発展してきた半世紀を追う。