
今年の阿波おどりのPRポスター。例年通り開催されることは決まったが…(徳島市提供)【拡大】
観光協会へ協力金3億3千万円
観光協会の金融機関の借入金は4億2400万円だが、金融機関にある預金を差し引くと債務は約3億8千万円になる。
協会によると、市による徳島地裁への破産手続き申し立て以降、その報道を知り、県内外の個人や企業から約3億3千万円の協力金が寄せられたという。協会の現預金約1億5千万円と協力金を合わせると計約4億8千万円。この金から債務を一括返済しても手元に7千万~8千万円が残り、協会は当面の運営はできると判断。地裁決定を不服として4月16日に高松高裁に即日抗告した。
協会側は「債権の全額を返せば、徳島市が市民の税金を投入しなくて済む」と指摘。高松高裁で開始決定が取り消しになった場合を想定し、阿波おどりの今年の実施計画も作っていた。
しかし、高松高裁は5月23日付で地裁の決定を支持し、即時抗告を棄却した。
高裁は棄却について「地裁の決定時には債務超過の状況にあった」とした上で、協力金約3億3千万円について「贈与ではなく貸付金にすぎず、破産債権者への弁済に充てたとしても債権者を異にするだけで、破産債権が存続することに何ら変わりはない。市から補助金などを打ち切られ、代わりの事業収益を得られるだけの見通しがない」と指摘した。