赤字で揺れた「阿波おどり」騒動余波 「観光客集まるか」地元の不安 (4/6ページ)

今年の阿波おどりのPRポスター。例年通り開催されることは決まったが…(徳島市提供)
今年の阿波おどりのPRポスター。例年通り開催されることは決まったが…(徳島市提供)【拡大】

  • 例年通りの開催が決まった「阿波おどり」
  • 演舞場の両側に設置される桟敷席。市が2億1600万円で購入する

 市は桟敷席を2億円で購入

 高裁の決定が長引くなかで、注目されたのが阿波おどりの収益の柱となる演舞場の桟敷席(観覧席)だ。

 これまで観光協会が保有していたが、地裁の決定により破産管財人が管理していた。高裁決定が出るまで協会は「抗告が認められれば桟敷席は協会の所有に戻り、独自開催も可能」と主張していた。一方で市は破産管財人が桟敷席を換価する前に取得しようと管財人と協議。5月21日、市は管財人と2億1600万円(税込み)で購入することで合意に至ったと発表した。

 桟敷席の収容人数は4カ所の有料演舞場が計約1万3900人、2カ所の無料演舞場が計約2千人。管財人が桟敷席のチケット売り上げの見込みなどから売買価格を決定したが、桟敷席を新たに作ると10億円以上はかかるという。

 購入について遠藤市長は「6月から旅行業者向けのチケット販売が始まり、業者の不安を払拭するため、一日も早く取得する必要があった」と説明。その上で、桟敷を購入するため、一般会計補正予算として専決処分し、6月議会で承認を求める。購入費の財源としては、徳島新聞社が市に寄付を申し出た振興基金のための原資となる3億円から充てるという。

 当初、徳島新聞社は3億円は赤字解消には使用せず、あくまでも基金の原資としていたが、「今夏の開催が第一義との判断から寄付金の使用を承諾した」としている。

観光協会は最高裁への抗告を断念