日本では25年前の「110番」から
では、過労死・過労自殺が社会問題になっていない韓国は、日本よりも深刻な事態に直面している、と言えるのだろうか。
実は、必ずしも比較はできない。「本家」であるはずの日本でも、いまだに実態が明らかになっておらず、引き続き深刻な状態とみられているからだ。
過労死問題でよく引用される統計が、毎年6月に厚生労働省が発表する「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」だ。過労死は脳・心臓疾患、過労自殺(未遂を含む)は精神障害として、労災の申請件数と認定件数を1年ごとに集計している。
平成23年度だと、過労死は申請302件、認定121件。過労自殺は申請202件、認定66件だった。
ただし、労災申請に至るケースは氷山の一角。発生件数が実際にどれだけあるのかは、だれにも分かっていないのだ。
シンポジウムのタイトルにもあるように、日本の過労死・過労自殺は、弁護士らが大阪で行った無料電話相談「過労死110番」によって、初めて社会問題として認知されるようになった。昭和63年4月、25年前のことだ。