姜さんは「韓国で過労死・過労自殺を防止するには、まず労働者と労働組合が努力しなければならない」と主張し、櫻井教授も「韓国社会では労組の力が強く、いったん解決に向けて動きだすと、早く進む可能性がある」と指摘する。
裏を返せば、日本では大半の労組がいまだに過労死問題に消極的だという現実がある。熊沢誠・甲南大名誉教授(労使関係論)はこう話す。
「日本の労組は、昇給と雇用の保障さえあればいいと考え、残業時間や仕事量などをめぐる働き方の問題について、意見を言わなくなってしまった」
姜さんは「韓国に帰国したら、専門家による相談窓口や遺族団体を組織したい」とも語っている。
日本で学んだ留学生が、いまなお力を持つ労組とともに、本腰を入れて過労死問題に取り組む-。近い将来、そんな活動が始まれば、労組の活動が鈍い日本の方が置き去りにされてしまう可能性もあるだろう。