渡辺由佳里(右)さんとネイト・シルバーさん(左)【拡大】
したがって大学生の間にインターンをしながら就きたい職業を考える。大学院進学が必須の専門職を選ぶ学生は、そのコースで必要とされることを勉強し、専門職以外はインターンやアルバイトで経験を積み、卒業後にその経験を活かした分野に就職するのが通常だ。
日本のような新卒での定期採用がシステムとして存在しない。このことが自主性尊重の文化と並んで米国の高校生が自ら真剣に専攻学科を決める大きな要因となっている。
話を伺ってみると、至極当然の道理だ。
また一般的に、中央集権的な国では首都を中心とした大都市の大学をめざし、地方分権が進んでいる国では大学の選択は分散する傾向にあるが、米国は後者というわけだ。
「アメリカで初期に発展したボストン市とその周辺には古い大学が多く、長い歴史があるために全米のみならず国際的に名前が知られています。それゆえ、全米や海外から学生が集る傾向があります。そういった意味では、ボストンは全国区であり世界区という特殊な例です」と、ボストンを例に米国を語る危険性についても渡辺さんは注意を促す。
「グローバル化の大将」と崇められる米国だが、国内は一部を除けば多数の他国と同じで「国内派」がメインである。それが当たり前だろうと思う感覚を常に持ち続けておきたいものだ。
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ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。
安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih