看護師で施設長の田中とも江さんは特別養護老人ホームでの経験もあり、「施設の質は排泄で決まる」が持論。身動きできない厚いオムツをつける施設や、スタッフが定時にカートでオムツ交換に回る施設は「ダメな施設」と言い切る。
ケアする人が最もダメージを受けるのが、認知症の人が自身の尿や便を触る弄便(ろうべん)。だが田中さんは、(1)状態の悪い便が出ている(2)オムツに頼り、適切なトイレ誘導ができていない-を原因に挙げる。「状態の悪い便はお尻につくし、オムツがつけっぱなしだと認知症の人は気持ちが悪くて触る。状態が悪いと便をふきとるのも大変だが、認知症の人は、『じっとしててね』と言われても、なぜお尻を出していなければならないのか、なぜお尻に触られるのか分からない。だから嫌がる。それを抑えつけるから暴れる、悪循環です」。その結果、認知症の人は「困った人」「汚い人」になってしまう。
オムツやパッドの中で排泄すると、感染症の元にもなるので、排泄を失敗させない、汚れ物を出さない「事前のケア」が大切だ。