乳酸菌飲料を飲む要介護の女性を診察する菊谷院長=東京都三鷹市【拡大】
この日は昼食時間帯を見計らって、調布市の有料老人ホームに要介護4の男性(79)を訪れた。男性は脳梗塞後のまひがあり、車椅子の生活。菊谷院長は食べる様子を見ながら、「みそ汁のトロミが薄すぎる。3口食べて3口ともむせてるね」と指摘した。
「体重が落ちた」との家族の訴えに対策として、(1)脂質などの多い食事で栄養効率を上げる(2)市販の高カロリー・高タンパク食を利用する(3)おやつを補充して回数を増やす-を挙げ、「ミキサー食は用量が増えるので、ボリュームの割にエネルギーや栄養分が落ちる。完食しているなら栄養剤をゼリー化したり、ゼリー状の食品をおやつ代わりに足すかですね」と助言。患者が食品を飲み込む様子を嚥下(えんげ)内視鏡検査(VE)でヘルパーにも見せながら、「誤嚥寸前なので、おかゆをもう少し、もったりさせた方がいいですね」と、声を掛けた。