乳酸菌飲料を飲む要介護の女性を診察する菊谷院長=東京都三鷹市【拡大】
■「介護食」市場規模とニーズに乖離
藤田保健衛生大学の東口高志教授の監修で、イーエヌ大塚製薬が在宅介護を行う全国1000人に行った調査では、介護の必要な人が笑顔を見せるのは「話し相手をしたとき」(51%)に続いて、「何かを食べるとき」(41%)が挙がった。
ただ、要介護の状態が重くなるほど食べさせることに介護負担も増す。「家族と同じもの(常食)を食べている」度合いは、要介護5では17%に落ち込む。
しかし、市販の介護食品がうまく取り入れられているかどうかは定かでない。民間シンクタンクの調べでは、現在の介護食品市場は1000億円だが、要介護者数などから試算される介護食品のニーズは2兆5000億円と乖離(かいり)がある。個々の家庭では、介護食の選び方や入手方法で分からない点が多いとみられ、課題は多い。