乳酸菌飲料を飲む要介護の女性を診察する菊谷院長=東京都三鷹市【拡大】
そのうえで、飲み込む力を上げるリハビリの実施を確認。「体重が減っている時期はリハビリの効果が出ない。プロテインパウダーなどを食事に足すと栄養状態が良くなり、筋力アップの効果も上がる」とアドバイスした。
だが、口腔リハビリの認知度はまだ低い。患者が肺炎を繰り返し、病院で「胃ろうにしましょう」と言われてから声が掛かることが多い。
「もう少し早く介入していれば低栄養にも肺炎にもならずに済んだのに、というケースは多い。むせた、体重が減ったという段階でアドバイスできれば、(胃ろうへの)坂道を転げ落ちずに済む。栄養状態が良くなると筋力も上がり、筋力が上がると食べられるようになる。食べる興味がわくと、外出しようかなと思う。食べる力を取り戻すことは、(改善への)きっかけづくりにもなる」と話している。