生活保護費が現金支給される大阪市西成区役所。制度への関心の高まりを反映し、支給日には多くの報道陣が取材に訪れた。生活保護をめぐる不正受給はその返還に妙案がなく、「不正受給にペナルティーなし」とも揶揄されている【拡大】
大阪府内のある自治体関係者は「4市のように職員が印鑑を預かり、勝手に書類に押印するのは問題。それでも、今のままでは不正受給者の『もらい得』を許すことにしかならず、納税者の不公平感に拍車がかかってしまう」とジレンマを口にする。
こうした状況を打開すべく、今年7月に施行される改正生活保護法では、自治体が月々の保護費から返還金を天引きできるよう制度が改められた。受給者数が全国最多の大阪市のある担当者は「格段に回収業務がはかどる」と歓迎する。
担当者によると、返還を自発的意思に委ねるしかない現状では、受給者がギャンブルなどで保護費を浪費し、返還に応じないケースがしょっちゅうある。そのたびにケースワーカーが説得に追われ、手間がかかるのが悩みだった。
もちろん、法改正後も受給者の同意が前提だが、回収の手間は軽減されるとみられ、厚労省は現在、具体的な運用ルールを検討中だ。府の担当者は「この改正で4市のような不適切な手続きはなくなるだろう」とみており、今後回収率がどのように変化するか、注目される。