使うのは主にオーストラリア産やニュージーランド産の羊毛で、今年は本場のスコットランド産も少々。糸にした後に染める場合もあるが、「羊毛を染めてからいろんな色をミックスして糸を作ると、織り上げたときに色に深みが出る。それがホームスパンの面白いところ」と博行さんは言う。
4代目の和正さんが実際に、足踏みの糸車でカラカラと糸を紡いでみせてくれた。手紡ぎの糸は色や太さが完全に一定にはならない。だから表情がある。その後、年季の入った織機でマフラーを編む作業を見学させてもらった。両端だけでなく側面にも房を付けた、中村工房の人気商品「ムカデマフラー」だ。「房を後から付けるんですかとよく聞かれるけれど、織りながら作るんです」と和正さん。長短の房のついたマフラーを、複雑な編みで仕上げてゆく。1日に編めるのは1、2枚とか。