何歳から年金を受け取るか、悩ましいところだ【拡大】
■国民年金受給者の4割が「繰り上げ」
60歳なら基準額の70%だが…
年金制度には「繰り下げ」のほか、受給開始を65歳よりも前倒す「繰り上げ」がある。繰り上げをすると、月に0・5%の割合で年金額が減る。60歳に受け取りを早めると、年金は基準額の70%になってしまう。
だが、利用者が多いのは圧倒的に「繰り上げ」。平成24年度時点で、国民年金受給者の4割を占める。一方、受給を遅らせる「繰り下げ」を選ぶ人は全体のわずか1・3%にすぎない。
田村厚労相がテレビ番組で触れたのは、現在70歳まで認められている「繰り下げ」を75歳に拡大すること。
これが実現するかどうかはまだ分からないが、仮に今と同じ0・7%の増額率が適用されるなら実用的とはいえない。この増額率だと、75歳時に受け取る年金額は倍近くになるが、65歳受給開始を追い越すのは11・9年後だから、ほぼ87歳。24年の簡易生命表によると、75歳男性の平均余命は11・57年(女性は15・27年)だから、統計上は「男性には勧められない」ということになる。加給年金を受け取れる人なら「さらに勧められない」となる。