■医科でも同様のトラブル「誘導には太刀打ち困難」
自由診療のトラブルは歯科に限らない。国民生活センターに寄せられた相談でも、事前説明が不十分というものが目立つ。
「不妊治療に行った。検査のつもりだったのに、相談の機会もなく、診療が始まり、『本日は自由診療です』と言われた」(産婦人科)、「カウンセリングを受けたら、後から自由診療だと言われた。保険適用だと思っていたので納得がいかない」(心療内科)、「予約で診療を受けたら、終了後に自由診療の費用を請求された」(泌尿器科)。
患者側は保険適用だと思っていたが、医療側は当たり前に自由診療だと思って説明しなかった様子が見て取れる。
多摩大学の真野俊樹教授(医療経済・経営)は「歯科は数が多く経営が大変なので、間違った治療ではないにせよ、患者が高額治療へ誘導されがちな面はあるかもしれない。売り手と買い手の間に情報量や知識量の差がある『情報の非対称性』はどの業種にもあるが、医療界では今まであまり表面化しなかった。だが、自費診療が広がれば医療界でも増えるし、医師が誘導しようと思えば患者は太刀打ちできない。選択の幅が広がる一方で、患者からすれば一定程度は守られたいのが本音で、どうバランスを取っていくかが重要だ」と話している。