5年に1回行われる年金の財政検証の結果が出た。経済成長や平均寿命などの新しいデータを反映させ、100年後までの年金水準をチェックする。だが、結果は厳しい。水準調整機能が発動されなかった過去10年の間に、年金水準は逆に上昇。その回復に時間がかかり、今の30代以下の特に基礎年金水準に大きなダメージが出る結果となった。(佐藤好美)
厚生労働省が3日に開いた社会保障審議会の年金部会。委員から基礎年金の水準低下を懸念する声が相次いだ。
「基礎年金の『劣化』をどうするかが問題」
「基礎年金の所得代替率が低下している。この層への対応が急がれる」
「基礎年金の割合が大きく落ちている。今後、厚生年金と基礎年金の役割分担をどう考えるか、真剣に考える必要がある」
委員らが問題にしたのは、財政検証で示された将来推計の中で、特に基礎年金の所得代替率が下がったこと。