国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の小林順二郎副院長によると、TAVIは2002年に欧州で開発され、改良を重ねてきた。人工弁は直径23~26ミリ。牛の心膜で作られた生体弁で、拍動で起きる血流によって開閉する。
治療はモニターを見ながら行う。太ももから血管内を通ってワイヤや風船を入れ、固くなった弁をこじ開けて広げる。その後、カテーテルの先に直径8ミリに圧縮した人工弁を付けて挿入。固くなった弁の内側に届いたところで、人工弁を風船で元の弁の大きさに膨らませ、外周を取り巻く金網状の金属で固定する。
80歳の男性は大動脈弁狭窄症で息切れなど狭心症などの症状が出て、同センターに入院。12年前に心臓の冠動脈の4カ所にバイパス手術を受けており、再度の外科手術はバイパス部分を傷付けて合併症が起こりやすいため、できなかった。
このため、小林副院長ら外科医と内科医がTAVIを行い、2時間で治療を終了。早期に回復した男性は1週間後に退院し、QOL(生活の質)も改善した。