□『コロボックル物語(1) だれも知らない小さな国』
■自分の原風景に出逢える
日本の近隣の国々とわれわれは如何(いか)に付き合っていくのか。オバマ米国大統領が来日されたとき、安倍総理と寿司屋で中トロ(中国とロシア)は注文しなかったとか、最近で言えば、日本と米国は白黒はっきりより中間(中国と韓国)の色に困っているのでは? なんぞというジョークの素材になるほどに外交は難しいものだと思う。
が、今回の『だれも知らない小さな国』は、実在の国の話ではない。日々、情報、時間、仕事に追われ、自分自身を見失いそうになっている、そんな読者を、少年、少女の頃、想(おも)い描いた世界に導いてくれる。
恥ずかしい話だが、私はこの本の存在を知らなかった。何度も文庫化されていたのです。著者があとがきで言っています。〈人は、だれでも心の中に、その人だけの世界を持っています…自分だけの世界を、正しく、明るく、しんぼうづよく育てていくことのとうとさを、わたしは書いてみたかった…同時に、他人にもそういう世界があるのだということを、よく知って、できるだけ、たいせつにしてやらなければいけないでしょう〉