日本酒が世界に普及していくには、まだまだ障害が多い。酒の種類の定義がよく分からない。ラベル表示が理解しがたい。味をどう表現するかの言葉がない。ワインであれば100種類程度の言葉で白、赤、スパークリングの性格を表現しきれるが、そのような共通用語が酒の世界では確立されてこなかった。
「今、ワインの言葉も流用しながら語彙集を作っているところです。多分、70%程度はワインの言葉、残り30%が酒独自の表現になるでしょう。やはりワインは足し算的な発想が強く、酒の引き算的な考え方と合わないところがありますからね」と説明する。
最後に「まだ緒方貞子さんを目指しますか?」と尋ねると、「最近、ジュネーブの国連機関の人も参加する酒のセミナーで講師をやったんですね。いろいろやっていると、それらがどこかで繋がって、当初の夢がかなうのではないかな、と思っています」と弾んだ声が返ってきた。
◇
ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。
安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih