【早坂礼子の経済ウォッチング】言葉のバリア解消へ 多言語対応サービスの芽生え (2/3ページ)

2014.11.2 07:15

地下鉄駅構内の案内表示。外国語の併記は一部に限られ、外国人観光客が増加する中、拡充が求められている

地下鉄駅構内の案内表示。外国語の併記は一部に限られ、外国人観光客が増加する中、拡充が求められている【拡大】

  • 東京・新宿駅で、台湾人観光客に英語混じりで道案内をする交番の警察官

 そんなとき、依頼を受けたオペレーターが外国語で直接話して日本語に翻訳するサービスがある。「マルチランゲージサービス」という事業で、展開しているのはディー・キュービック(本社・東京都渋谷区)、IT関連のユーザー支援を行っているキューアンドエーグループの企業だ。親会社がコールセンター業務で培ったノウハウを生かし、2012年に事業を始めた。

 2~3カ国語を解するオペレーター25人が3交代・24時間体制でコールセンターに待機し、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語と5つの言語で取引先のニーズに応える。20代から40代までオペレーターの国籍は様々だが、全員が日本語検定1級の資格を有し、必要に応じて医療通訳や救命講習、マナー・プロトコール検定(国際儀礼)の資格試験など専門技能の研修を受ける。会話の通訳だけでなく、メールや標識など文書の翻訳サービスもある。取引先は官公庁やホテル、鉄道会社などで、サービス内容にもよるが、料金は月3万円からという。

 同社の牛島祐之社長は「いろんなところから引き合いがあって手応えを感じます」と話し、現在2億円の売上高を「2020年までに30億円に増やしたい」と意気込む。

目標達成への一番の課題はオペレーターの量と質の向上だ

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